「MIXに出すと、具体的に何が変わるの?」——依頼を迷っている人がいちばん気になるところだと思います。この記事では、録りっぱなしの声(ビフォー)が、MIXの各工程を経てどう変わっていくのかを、順番に具体的に解説します。MIXの中身が見えれば、依頼の価値も伝わりやすくなります。
録音した直後の声には、次のような“素”の課題があります。
MIXは、これらを順に整えて「オケと一体になった、聴きやすい歌」へ仕上げていく作業です。
まず各フレーズの音量差をならし、オケに対する声の位置を決めます。地味ですが、ここが全体の8割を決めると言っていいほど重要な工程。この時点で「あ、聴きやすくなった」と分かる変化が出ます。
こもりを取り、抜けを出し、耳障りな帯域を抑える。これで声がクリアに前へ出て、オケになじみます。サ行の刺さりが気になれば ディエッサー もこの段階で。
大きい声と小さい声の差をならし、安定した聴きやすい歌にします。強く歌うところも埋もれず、弱いところも消えない。プロっぽい“芯のある声”はここで生まれます。
最後に残響を足して、声を心地よい空間に置きます。ここで「浮いた声」が「その曲の中にいる声」へ変わります。深さの決め方は リバーブの深さの決め方 をどうぞ。
全体を通して音圧・バランスを最終調整すると、市販曲と並べても遜色のない仕上がりになります。ビフォーと比べると、「素人っぽい録音」から「作品」へという差が生まれます。
ご依頼者の方に、私はよく「MIXは盛るのではなく、あなたの歌の良さをちゃんと伝わる形に翻訳する作業です」とお伝えします。ビフォーアフターの変化は派手に聴こえますが、やっていることは元の歌が本来持っている魅力を、埋もれさせずに引き出すこと。だからこそ、録りが良いほどアフターも伸びます。まず基礎を知りたい方は 歌ってみたのMIXとは? からどうぞ。
MIX前後の音源を聴き比べるときは、全体の印象だけでなく、次の観点で、一つずつ確かめてみてください。
MIXは、録音した声の良さを引き出す作業です。そのため、次のものはMIXでは変えられません。
録り音を整える工夫は、録音のやり方ガイドと部屋の反響対策が参考になります。
依頼先の実績の音源を聴くときも、同じ観点が使えます。自分の好みに近い仕上がりか、ジャンルの得意不得意があるか、を確かめましょう。依頼先を選ぶときの注意点はミックス師の選び方を参照してください。
まずは自分の歌を客観的に把握したい方は、声の音域チェッカーやBPM・キー判定などの無料ツールもどうぞ。
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